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Sunday 20 November 2005

ボルヘスのビデオ:Jorge Luis Borges VHS

ボルヘスマニアのジョージ・スタイナーは、ボルヘスにぴったりの形容詞、「鏡の中の虎」というタイトルで、エッセイを書いていました。(『脱領域の知性』河出書房新社) このドキュメンタリーにも鏡を見つめるボルヘスが多く写されています。
よくできていますが、ファンでなければ退屈かも知れません。時々、スペイン語がまじります(英語の字幕なし)
どこかで、「ボルヘスは盲目でありながら、本棚から目当ての本を取り出して、ページを繰る」、とある作家が書いていました。これは誇張ではないこと がこのビデオで分かります。本当に、盲目のボルヘスは、本棚の背表紙を注意深くなで、本を取り出し、ページをめくっているのです。記憶の中にある文章を思 い出し、また読みかえしながら・・・。
少年時代のボルヘスは可愛らしい少年が演じています。ボルヘス少年は、「家ではのべつトラの絵を描いていた。動物園では呪縛されたようにトラの動き を目で追い続け、妹や母親がいっしょでも、いっこうに立ち去ろうとしなかった。」母親の記憶では、「もう行くよといわれると、おそろしく暴れることもあっ た」。(ジェイムズ・ウッダル『ボルヘス伝』)
図書館への勤務もドラマ化されています。熱心なボルヘスの読者は、ボルヘスが晩年まで貧しい暮らしをしてい、ある日お茶をもらって、その帰り道涙がでてきたというのを思い出さないでいられるでしょうか?
アマゾンで買えますが、VHSなので画像はあまりよくありません・・・。:http://www.amazon.com/exec/obidos/tg/detail/-/6303001831/qid=1132460893/sr=1-1/ref=sr_1_1/002-4410957-0820843?v=glance&s=video